以前、終活セミナーにご参加くださった、
70代後半の男性の方からお便りが届きました。
妻が突然倒れて寝たきり状態になってしまいました。
毎日介護に明け暮れています。
という内容に言葉を失いました。
ご自分の終活をしっかりやっていきたいと考えて
セミナーを受講され、その後も
私が主催したイベントやセミナーにも喜んで参加してくださり
一つずつご自分の終活を進められていた方です。
自分に” もしも ” のことが起きた時
ご家族が困らないように色々考え、準備してこられた中、
その ” もしも ” が、奥様の方に先に起きてしまうとは…
奥様想いのこの方のお気持ちを思うと胸が痛くなりました。
結婚されている男性の方全員がそうではないと思いますが
「妻より自分の方が先に逝く」
「自分の老後は妻が看るだろう」
と、思い描いていらっしゃる方が多いようです。
『関白宣言』の「俺より先に死んではいけない」
という歌詞は、奥様への愛情だとも思いますが
男性陣にとって、この歌詞は
「先に死なれたら困る」という本音もあるのかもしれません。
シニア向けの終活セミナーを開催した時、
参加してくださった女性のお一人が
「夫が死んでしまった時のことよりも、私が先に 死んでしまった時のことの方が不安。 」と発言され、
周りの女性の皆さまが大きく頷きながら、メチャメチャ共感されていたことを思い出しました。
「家事は全部私がやっているから、掃除や洗濯はもちろん、ご飯すら炊けないと思う」と…。
わたしが今まで介護施設で働いてきた中で、
ご主人より奥様の方が先に介護が必要になった
というご夫婦をたくさん見てきました。
認知症の奥様を何年もご自宅で介護されていたご主人も、高齢に伴って身体に限界が来て、奥様は施設に入所することに。
入所された時の奥様は、ご主人のことも分からないレベル。
…もう何年も前から、家族の顔を忘れてしまっているし、食事の摂り方も分からなくなっている…とお聞きしました。
ご夫婦ともに当時70代。
ご夫婦一緒にお散歩をしていたところ、奥様が急に倒れて救急搬送され、命はとりとめたものの、ほぼ全身麻痺となられ施設入所。
それでも何とか自宅に戻してあげたいと、毎日奥様に会いに来られ「絶対あきらめるな!」「頑張れば家に帰れるよ!」と声を掛けて続けていた旦那様。
言葉を返すことも難しく、辛そうな表情で旦那様を見つめる奥様。
80代のご夫婦でした。
また、Facebookやインスタグラムでも紹介したのですが
母が若年性アルツハイマーになりましたという本(マンガ)は
ご主人より奥様の方が先に介護が必要になった…という
実際のご経験が描かれています。
明るく社交的で、主婦業も完璧。色んな趣味を持ち、
中でもレザークラフトは教室も開いていらしたそうで、
沢山の人に関わり、楽しみ、細かい作業が得意なお母様が
50代という若さで認知症になるなんて、
家族の誰もが想像し得なかったと思います。
本には、このお母様が亡くなられるまで、
認知症を発症されてから20年近くにわたって、ご自宅で
介護されていたお父様のことが詳しく書かれていました。
認知症に関する知識、介護の方法、介護保険の利用など
今まで知らなかったであろうことを必死で勉強されながら
ずっと家で介護をされてきたお父様の熱意や行動力には
心を打たれ、また考えさせられることが沢山あります。
是非、皆様にもお読みいただきたい1冊です。
子供も家庭を持ち、老後を夫婦ふたりだけで暮らしている世帯は年々増えています。
多くの場合、将来どちらかに “ もしも ” のことが起こります。
どちらかが看取ることになり、1人になる・・・。
「自分より先に妻が・・・」なんて想像したくない。
でもそれは…
絶対に無いとは言いきれないこと。
誰の身にいつ起こるか分からないこと。
なのです…。
高齢になればなるほど、終活は必要だと感じつつも取り掛かかりにくくなりますし、
時間が経てば経つほど、リスクが高くなるのに、終活するのがどんどん億劫になります。
自分の終活と同時に、伴侶の終活も進めていくって
とても大事。
そういえば、ご夫婦一緒に終活セミナーに参加される方も
けっこういらっしゃるんですよ(^^)/
素敵だな、素晴らしいな、と心から思いました。
終活なんて、私たち夫婦にはまだ早い!と言えるうちから
ご夫婦で、ご家族で、そして親子で
こういうこと、話してみていただけたらな…と思います。
「こんなふうに話してみたよ」
「どう切り出せばいいか分からない」
などのご経験や疑問などがあれば、
ぜひ ⇓こちら⇓ でお聞かせください♪
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