高齢者の一人暮らし~要介護になったら?

『年を取っても、ずっと住み慣れた家で暮らしたい』
殆どの方がそう思っていらっしゃると思います。
元気な時は、自宅で暮らせなくなることなんて
想像もしないですよね。
自分が高齢者になること自体、想像しづらい…。
いや、想像したくない…(´Д`)

終活についてお伝えしている中で、よく
“ もしも ” のことがあった時に…という言葉を使いますが
大きな “ もしも ” が起こらずとも、
年を取っていくことは確実で。

ご両親のどちらかに
それこそ “ もしも ” のことがあって
お父さんかお母さんが一人暮らしをされている
という方もいらっしゃると思います。
「一人で居る親のことが心配なんだけど…」
というご相談も最近多くなってきました。

今はいいけど 3年後は大丈夫だろうか?
最近、物忘れが多くなっているような気がする…
かといって、一緒に住むことも会いに行くのも難しい(-_-;)

高齢化に伴い、一人で暮らしている高齢者は年々増えています。
ただ単に高齢者の人数が増えているから…
…というわけではなく、
一人暮らしの割合自体が高くなっているんですよね。

今から40年前の1980年は
高齢者数約1,065万人のうち、8%が一人暮らし。
現在は高齢者数約3,600万人のうち、
一人で暮らしているかたは19%いらっしゃいます。
ざっくり計算すると
日本の全人口の4人に1人が高齢者で、
そのうちの5人に1人が独居ということになるんです。

今の時代、高齢者の仲間入りとなる65歳のかたはもちろん
70代も80代も「お若いなぁ~」と思う方が多くなりましたけどね(*^^*)。
「健康面も経済的にも問題ないから1人でも大丈夫」
「1人でもそれほど不便じゃないよ」
「1人で暮らす方がラクだよ~(笑)」
というのが、一人暮らしをされているシニア世代のご意見。
いやはや、ごもっともです!(^^ゞ!

反面、頼れる家族がいない…という理由で
やむなく一人暮らしをされている方も大勢いらっしゃいます。

悠々自適に…という高齢者、
致し方なく…という高齢者、どちらにも
一人で暮らすリスクはあります。

外に出る機会が少なく、家にこもって孤立してしまうこと、
家の中での転倒事故や、オレオレ詐欺などのトラブル、
中でも、急な体調不良や認知症の発症に
誰にも気付かれず、そのまま進行してしまったり、
最悪の場合、孤独死ということも…。

転倒で骨折してしまったとか、
歳を取って足の関節を悪くしてしまったとか、
「歳だから仕方ない」と軽くみられがちですが
これをきっかけに認知症や要介護状態になってしまうことが多いんですよ。

でも、そうして認知症になったら…
病気やケガなどで身体のどこかが不自由になったら…
しかも一人暮らしだとしたら…
自宅では生活できなくなっちゃうのでしょうか。

日本では2000年から介護保険が始まり、
在宅でも様々なサービスを受けやすくなりました。

代表的なのが
ヘルパーさんに自宅にきてもらう訪問介護。
家にこもらず施設に通うデイサービスデイケア

その人その人に適した介護サービスを利用することで
自宅での生活を続けることができている方がたくさんいらっしゃいます。

例えば、一人でお風呂に入るのは危険だ…という場合は
訪問入浴サービスや、デイサービスで入浴介護を受けるとか、

簡単なお料理は自分で出来るけど
足が悪くてお買い物に行くのは厳しい…という場合は
訪問介護サービスの生活援助で買い物に行ってもらうなど。

「でも…認知症になったら一人で暮らすのは無理でしょ」
と思う方もいらっしゃると思います。
確かに認知症の症状や原因、程度、環境によって
一人暮らしが可能なのか不可能なのかは違ってきます。

要介護〇までなら大丈夫という線引きがあれば、
むしろ判断しやすいのかもしれませんね。

実際に訪問介護の現場で働くヘルパーさんや
訪問介護事業所のケアマネさんなどに
色々お聞きしたところ、

認知症や身体のどこかに障がいがあって
要介護状態にある一人暮らし高齢者の利用者さんは
私たちが思っている以上に多くいらっしゃるようです。

一緒には住んでいないものの、ご家族が近くに住んでいて
日々の見守りや緊急時の対応ができる体制になっていたり、
すぐに駆け付けられない距離に住んでいても
毎日電話をかけて、日々の様子を把握できていたり、

家の中での事故を防ぐために
手すりの設置や段差の解消などの住宅改修をしたり、
普段関わっているヘルパーさん、ケアマネさん達と
ご家族との連絡のやり取りを常に行うことだったり、

高齢者で介護が必要な方が自宅で暮らしていくためには
多方面からのサポートは欠かせないでしょう。
そして、一人で生活するご本人も
自分には何ができて何ができないかをちゃんと把握し、
誰かの手を借りる(介助される)ことを受け入れられるかどうかが大切です。

高齢化がますます進み、
介護が必要になっても、一人暮らしをされるお年寄りは
この先も多くなっていきます。

親と離れてくらしていても、
身体の状態や、小さな変化に気付けるようにするために
日頃からできるだけコミュニケーションを取ることは本当に大事です。
先に述べた『一人暮らしのリスク』のこともありますし。

訪問介護の現場で働く方々のお話では、
『自分が困った時に助けを求めることができる』
かどうかは、一人暮らしを続けられるかどうかの判断で
とても重要なことの1つだそうです。

まずは、要介護にならないために、
普段からバランスよく栄養を摂る、
適度な運動をするなど、介護予防を行うことと同時に

ぜひご家族と、
“ この先の暮らし方 ” について話し合っていただきたいなと思っています。

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