先日、お医者さまのコラムで読んだのですが、
独り暮らしの90歳近いおばあちゃんが、
お医者さんで処方された薬を言われた通りに飲んだら
意識レベルが下がって救急搬送されたという事故があったそうです。
関節症の痛み止め、骨粗しょう症、高血圧、糖尿病、
咳止め、入眠導入剤、胃薬、更には認知症の薬など、
1日に飲むのは 計21種類。
中には同じ薬を1回に2~3錠服用するものもあるでしょう。
また、毎食後1日3回飲む薬もあれば、
食事の直前に飲まなければならない薬、
入眠導入剤はもちろん就寝前…と、1日に何度も飲むわけで。
私が介護施設に勤めていた時も、殆どの高齢者が
たくさんの薬を処方されていて、食後は薬を落としたり、
飲み忘れたり、間違って他人の薬を飲んだりしないように、
内服介助または見守りをすることも重要なお仕事でした。
特に朝食後は10錠以上の薬を服用される方が多く、
「お薬だけでお腹がいっぱいになっちゃいますね…」
「一度に飲まずに2粒ずつ飲みましょうか」などと
声をかけながらお薬を飲んでいただいていました。
正直「こんなに飲んで大丈夫なのかな?」と思うこともしばしば。
私自身も、たまに風邪を引いて何種類か薬を処方されたり
腰痛が激しくて痛み止めをもらったりしますが、
一度に数種類の薬を飲むと、たとえ胃薬をもらっていても
ちょっと気持ち悪くなったり、フラっとしたりすることがあります。
先ほどのコラムのおばあちゃんの話に戻りますが、
認知症ということもあり、1人でお薬をちゃんと飲めていなかったそうですが
経過はとても良かったとか。
ん?何故?(゜-゜)
そして、だったらどうして救急搬送されたの?と思う方も多いでしょう。
ある日、帰省された息子さんが、
食後の内服に手間取っているおばあちゃんを見て
大量の朝食後薬を処方通りに一度に飲ませてくれた数時間後、
おばあちゃんの意識が低下し、救急車を呼ぶことになったとか。
結果は低血圧&低血糖。
今までは、1人でちゃんと飲めていなかったおかげで
こういう症状にならず、むしろ安定した数値だったというわけなのです。
薬は適切に使えば病気の治療や症状の緩和に役立つけれど
副作用や過剰作用などの危険も常に伴う…
と、コラムに書かれていました。
特に高齢者の内服薬は、治療効果は出にくい反面、
副作用や効き過ぎ等の有害作用は発生しやすいそうです。
この薬とこの薬は一緒に飲んだら危険…という場合もあります。
こちらのおばあちゃんは、病気や症状によって
別の病院、別の科で診断してもらって、薬を出されていたのかもしれません。
最近はお医者さんや医療事務の窓口のなどで
「他の病院にかかっていませんか?」
「今、何かお薬飲んでいますか?」などと聞かれることが
多いですし、おくすり手帳もそういう時に役に立つものだと思います。
そういえば…と思い出したことが1つ。
私が勤めていた施設に、ツルツル頭が魅力的なおじいちゃんが
入所されていたのですが、ある日、早番で出勤したら
そのおじいちゃんのツルツルの頭全体にブツブツ…いや、
ボコボコと大きな発疹が出現していて驚きました(*_*)
「え?蚊?ダニ?それとも何か変なモノ塗ったの?」と、本気で思ったほど。
ブツブツボコボコは全身に広がっていましたが、
痒みもなく、ご本人も発疹には全く気付かなかったとのこと。
ツルツル頭だったからこそ、すぐに発疹が分かったのです。
すぐに受診し、前日処方薬が変わったことによる薬疹だったことが分かりました。
このおじいちゃんも薬は大量だったのですが、
糖尿病の治療薬以外の内服薬をストップしたところ、
あっという間に薬疹は消え、頭にもツルツルが蘇って
おじいちゃんも自分の頭を撫でながら「あ~ヨカッタ(^^;)」と一安心。
特に高齢の方は体の色んな箇所の不調を気にされ、
「薬を出してもらう」だけで安心される方も多いです。
入眠剤を飲まないと眠れない…と訴える方に
ミンティアを飲んでいただいたらぐっすり眠られた…という
こともありました。
治すための薬が、かえって悪い症状や危険な状態を
引き起こすこともある…ということを知っていただき、
内服薬の本当の必要性や、優先されるべき治療を
かかりつけのお医者さんとしっかり話し合うことが大切だなと思いました。
高齢の親を持つ人は、親が今飲んでいる薬が何の治療薬で、
いつ、どれくらいの量を飲むように言われているか…を
知っておく必要もあるな、とも思います。
治療あるある、お薬あるあるって多そうですね。
ギモンも色々ありそうです。
あるあるや、気になること、ギモンなどがあれば
こちら
にどうぞ!
この記事へのコメントはありません。