舌がん闘病中の家族とのコミュニケーション~堀ちえみさんのがんを知って~

【舌癌】
先月、たくさんの方が
このワードを検索したのではないかな?と思います。
堀ちえみちゃんのがん公表、驚きました。
スチュワーデス物語をばっちり観ていた世代の私には衝撃的でした。

舌の60%を切除する・・・
大腿の筋肉を移植して舌を再建する・・・
転移した首のリンパの腫瘍を取る・・・
11時間に及ぶ大手術。
治療はもちろん、
術後のケアもきっとすごく大変なんだろうなと
医療現場の状況を想像するのと同時に
ちえみちゃんの今の状態や抱えている気持ちを考えると
胸がギューっと締め付けられます。

癌だと分かった時
「このまま人生の幕を閉じてもいいかな」と思ったということ…
本音だったんだろうなと思います。

『生きよう』『闘おう』と決めるのは容易ではなかったでしょうし
芸能人であるがゆえ、公表するしないを決めるのも
私たちには分からない葛藤やジレンマがあったと思います。

こうして公表していただいたことで
舌癌のことがクローズアップされ、
初期は口内炎に似た症状で癌だと気付きにくい、
表面上に明らかな変化がみられる時点では
転移している可能性がある、 など
今まで私たちが知らなかったことを知ることができました。
あらためて、ちえみちゃんの勇気に感謝です。

以前勤めていた老人施設に、
舌癌の手術で舌を切除し、昔だったので再建手術をされず、
半分以上舌のないおばあちゃまが入所されていました。
声はしっかり出ますが、発語にはかなり難がありました。
話す時に、いかに舌を使うかが改めて分かります。
食事も噛んで飲み込むということが困難なので
ミキサー食(すり潰してトロトロ状態にする)でしたが
口に入れても涎のようにダラ~っと出てきてしまうので
そのおばあちゃんはいつも、洋服がよごれないよう
ペーパータオルを洗濯ばさみで襟元につけ、
汚れたらご自分でペーパータオルを交換されていました。
認知症ではない方なので、
色んな事がもどかしい・・・と嘆いていらっしゃることも。
(それすら何度も聞きなおしてようやく伝わるのですが)
高齢のご主人がたまに施設にいらっしゃると
嬉しそうに大きな声で分かりやすいように
お話しされていました。
ご主人も根気よく聞いていらして。
「何言ってるのか前より分からなくなってきた」と
帰りがけにこぼされていたこともありました。

年齢も違うし、舌の再建手術をされているちえみちゃんは
リハビリによって話すことも
食べることも可能になると思いますが
ニュースを知った時には
このおばあちゃんのことが頭に浮かびました。

しばらくは経管栄養で(鼻にチューブを差し込んで、そこから体に栄養を入れる人工栄養法)
ご家族や医師、看護師、セラピストの方達と、直筆やスマホやパソコンを使ってコミュニケーションを取りながら
リハビリで体力・筋力をアップしていく日々になるかと思います。

体も辛く、痛みもあり、精神的にも辛いはず。
その中でご家族のことを気に掛けたり
この先のことを考えたり
頭の中がいろんなことでいっぱいなのではないでしょうか。

入院する前に病気のこと以外にもいろいろお話ししたのかな…
『終活』のこと考えたかな…
“もしも”を考えて、エンディングノートのようなものを書いたりしてるのかもしれないな…
ご家族へのメッセージたくさんあるんだろうな…
どんなことを一番伝えたいのかな…

と、勝手に想像しています。

メディアは状況を知りたくて仕方ないかもしれないけど
個人的には、私たちに経過を報告しなくていいから
治療に専念して、ご家族と大切なことや今の想いを
いっぱい話してほしいなと思っています。
『生きよう』と大きな決意をしたちえみちゃんを尊敬するとともに、ご快復を心からお祈りし、心から応援しています。

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